
ビームスが発行している文芸カルチャー誌について書きました。
僕がまだ東京にいたころ、表紙のエイドリアン・トミネのイラストが気にいってパルコブックセンターで装丁買いしてしまった本です。
単行本のカバーはいらない
この本は洋書のようなペーパーバックタイプでカバーはついていません。
単行本のカバーは全て外してしまう僕にとっては邪魔なカバーがついていないのが好印象です(土曜社のカバーなし文庫はもちろん好きです)。
カバーありきで装丁された本
本のカバーが妙につやつやしているのが嫌なんですよね。
仕方なくカバーを外すと、中身の表紙が真っ白だったり、カバーイラストがモノクロで印刷してあってがっかりします。
装丁買いの本をやっと読む
書店に立ち寄ると装丁が気に入って買ってしまう本が良くあります。
購入のポイントは表紙のイラストだけでなく、紙の質感や厚みなどその本全体が醸し出す雰囲気が大切です。
そうやってこの本を買ってからすでに5年になります。読まずにさんざん眺めつくしてずいぶん時間がたってしまいました。
それをなんで2019年、平成最後のいまブログで紹介しているのかというと、そういえば何が書かれているのだろうと気になってやっと読んだからです。
熟成しすぎた文芸カルチャー誌
本を開くと、グラフィックデザイナーである永井博のインタビューから始まり、短編小説、エッセイと続きます。
エッセイは一応ゆるいテーマがあるようで、装丁イラストに合わせて、スニーカーにまつわる話がいくつかあったりもします。
キーワードに「書を街に連れ出そう!」とあるのですが、これはやはり寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』へのオマージュでしょうか。
買って読まずに熟成しすぎた文芸カルチャー誌はずいぶん昔の話を聞かされているような感じがしました。
実際に紹介されている音楽や映画などはかなり古いものばかりです。
音楽の教科書?
ジョン・ケージや武満徹について書かれたエッセイもあります。
読者層っておそらく20代の若い世代だと思うのですが、彼らには音楽の古典みたいに感じるのではないでしょうか。
IN THE SNOW
この本を買った当時はまだ東京にいたのでその時を懐かしく思い出しながら読みました。
今は北海道の雪に埋もれた家の中、煙突式ストーブの前に置いた椅子に座ってこの本を読んでいます。
IN THE CITYというよりはIN THE SNOW…スニーカーを履いて街へ出かけられるのはまだまだ先だなと窓を見て思うのです。